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FINAL ANSWER取り扱い認定病院になりました

現代の正しい皮膚科診療を提供する目的で立ち上げられたFINAL ANSWER ACADEMYのプログラム受講を終え、この度当院がFINAL ANSWER取り扱い認定病院になりました。

犬のアトピー性皮膚炎(以下CAD)を発症する機序は以下の通りです。

  1. 遺伝的背景
  2. 過度な衛生的環境
  3. 腸内環境の乱れ
  4. 免疫要因
  5. 皮膚バリア低下
  6. 皮膚常在菌の乱れ

これらが原因でアトピーを発症し、痒みや皮膚炎を生じます。

つまりCADを発症する機序がいかに複雑に絡み合っているか、だからこそいかに多面的に攻めなければいけないのかが治療をする上で重要になってきます。

今回取り扱いが可能になったFINAL ANSWERは2つに作用機序が分かれます。

①FINAL  ANSWER No.1サプリメント

プレバイオティクスのケストース(オリゴ糖の王様)とプロバイオティクスのパラカゼイ菌(FA1菌株;乳酸菌の一種)を組み合わせたシンバイオティクスのサプリメントです。

免疫細胞の70%が腸で産生されており、豊かな腸内細菌が発酵してできる短鎖脂肪酸(酪酸・酢酸)が制御性T細胞(Treg)を活性化して炎症性T細胞を抑制する働きがある事が知られています。

またアトピーの腸は腸のエネルギー枯渇/腸内環境アルカリ化/悪玉菌増加/肥満などにより、1⃣構内細菌の多様性減少、2⃣短鎖脂肪酸減少、3⃣酢酸・酪酸etc.の産生低下、4⃣Treg活性低下、5⃣炎症細胞の暴走、という機序によりCADの症状の悪化が指摘されています。

サプリメント内に含まれる成分の研究において(2015年、2020年報告)、シンバイオティクス治療をCADの犬に対して併用したところ、皮膚症状と痒みのスコアが有意に下がり、ステロイドの減量も可能になったという結果が出ています。

②FINAL ANSWER No.2サプリメント

糖アルコール成分であるエリスリトール、ビタミンC誘導体、グリセリンを含んだスプレーになります。

CADでは皮膚常在菌の多様性が減少している事が報告されており(2016年報告)、正常な犬では皮膚常在菌の多様性は多いが、CADの犬では皮膚表面のブドウ球菌の割合が圧倒的に多く、他の常在菌の多様性が減少しています(CADで膿皮症が再発する要因)。

エリスリトールは犬ブドウ球菌の増殖を抑制し、活性型ビタミンCとエリスリトールの併用は犬ブドウ球菌増殖抑制効果を増強することが報告されています。

このスプレーを使う事により膿皮症のスコアの減少と、犬ブドウ球菌以外のその他の皮膚常在細菌に対する影響が少ないことも証明されています。

犬のアトピー性皮膚炎を治療するに当たっては長いお付き合いになるため、複合療法が大事であり、アトピー治療を通じた全身の健康管理が重要です。

犬アトピー性皮膚炎の管理にお困りの方は、当院までご相談ください。

犬アトピー性皮膚炎(CAD)の管理について②

今回は抗アレルギー薬の使い方についてお話ししたいと思います。

何年か前までは「痒み」がある子に対してまず抗生物質・抗真菌薬・ノミダニ駆除をして感染症の除外をしたうえで抗アレルギー薬を使う事がスタンダードでしたが、今は考え方が変わっています。

感染症が起きている原因はCADで痒みと炎症が起き、肌のコンディションが悪くなることで皮膚表面の菌が増える為であり、抗アレルギー薬を使用しているときの方が感染症は起こりにくいとされています。

故に抗アレルギー薬でCADの症状を管理しつつ、前回のブログでお話ししたスキンケアや塗り薬のような負担の少ない外用で整えることが重要です。

各抗アレルギー薬の使うタイミングとしては以下の2つの期間に分けて適時処方しています。

①ガツンと症状をなくす期間(※ちなみにガツンとみかんというアイスが大好きです):約1カ月かけて治療

・ステロイド内服&外用(重症、中等症)またはアポキル(中 等症)を使用

・アポキルと併用しながらステロイド外用薬で局所炎症を緩和する

・アポキルと併用しながらアンチノールを使用するとアポキルの減量が可能

②ぶり返しを抑える期間(見た目は正常でも潜在的な炎症が存在する):継続治療

・アレルゲンの回避

・外用ステロイドプロアクティブ療法

・サイトポイント(月に1回の注射):アレルゲンに暴露される前に投与すると皮膚炎の発生率が有意に減少する

・アポキルまたはシクロスポリンで維持

・清肌&三仙(漢方)で維持

・すべての維持療法においてスキンケア(保湿剤)を併用する

このような流れて治療を進めていきます。各期間に使用する薬の種類は飼い主さんと相談して決めますが、薬が飲めない子塗り薬が塗れない子通院が苦手な子シャンプーや沐浴が苦手な子とそれぞれですので、その子に合った対症療法を一緒に考えましょう。

犬アトピー性皮膚炎(CAD)の管理について①

季節柄、皮膚症状が悪化するワンちゃんが増えてまいりました。

なかなか痒みが治まらない、皮膚の赤みやブツブツが薬を切ると再発するという悩みを抱えているワンちゃんも多いと思います。

CADを管理するに当たって犬の皮膚の特徴を理解する必要があり、また治療を受け入れてくれるワンちゃんに合わせたスキンケアをしていく必要があると考えております。

 

①犬の皮膚の特徴

・一番外側にある表皮はヒトの1/3の薄さ ➡ 毛がある事によって犬の表皮は薄くなっている

・皮膚のトラブルは猫の3倍

・犬の皮膚病の多くは慢性疾患(アレルギー/アトピー、膿皮症、マラセチア皮膚炎、脂漏症etc.)

 

②指摘されている皮膚治療に対する問題点や有効な併用療法の報告

・抗菌シャンプーの長期使用による抗真菌薬への感受性低下(2013年報告)

・複数の抗真菌薬へ耐性を示すマラセチアの報告(2019年)

シャンプー後に保湿をしないとTEWL(経表皮水分蒸散量)が上昇し角質水分量が減少する(2019年報告)

マラセチアが増殖したCADに対し抗菌シャンプーと保湿系シャンプーで週2回、4週間継続して洗浄効果を判定したところ、どちらの洗浄方法もマラセチアの数は顕著に減る(2021年報告)

・健常犬に対する抗菌シャンプーと保湿系シャンプーのTEWL(経表皮水分蒸散量)の研究では、抗菌シャンプーは健常犬のTEWLを有意に上昇させるが、保湿系シャンプーもマイルドに上昇させる(2021年報告)

・CADの皮膚バリア低下にはセラミド不足が関与している(2013年報告)

・フードにリノール酸(必須脂肪酸)をベースの2倍添加したところ、24時間後にセラミドの量が倍に増えた(2018年報告)

 

③再発を繰り返す皮膚の炎症

・CADは皮膚バリア障害が深く関与しており、健常犬に比べると犬のアトピーではTEWL(経表皮水分蒸散量)が高く皮膚バリアが弱い(2019年報告)

・再発性膿皮症の調査(107例;2018年)では、再発性膿皮症を呈する症例の70%がアレルギー性皮膚炎をもっており(ニキビダニ;18%、内分泌疾患17%)、アトピーが管理できていなければ感染症は再発する

 

☆結論

・二次感染が起きている原因はCADで痒みと炎症が起き、肌のコンディションが悪くなり表面の菌が増える事であるため、抗アレルギー薬を使用しているときの方が二次感染は起きにくい

・抗アレルギー薬でCADの症状を管理しつつ、負担の少ない外用で整える

・抗アレルギー薬の使い方としては、徹底的に症状をなくす第一段階(約1カ月)ぶり返しを抑える第2段階(見た目は正常な状態でも潜在的な炎症が存在する)に分けて治療を進める。そしてすべての維持治療においてスキンケア(保湿剤)を併用する。

・スキンケアのコンセプトとしては、1⃣薬にはできる限り頼らずに、2⃣健康な皮膚を維持する為には問題がなくてもケア3⃣皮膚の病的状態を回復/予防(予防こそ最強)が重要となります。

 

 

以上を踏まえたうえで、飼い主さんと相談の上その子に合った治療方針を一緒に考えていきます。

季節のご挨拶

日に日に秋が深まってきました。
仕事の後は、アツアツおでんやお鍋が美味しい季節です!

年末に向け、何かと忙しい日々が続きますが、
コロナ禍はまだ収束しておりません!

お互いに感染防止対策を欠かさず気をつけましょう!!

光免疫誘導治療(ICG-lipo)中のらんまるちゃん

光免疫誘導治療のために近赤外線レーザーを患部周辺に照射中のらんまるちゃんです。

らんまるちゃんは去年左頬部に腫瘍が発生しかかりつけ医にて摘出してもらったところ、「悪性末梢神経鞘腫」と診断され、同部位に2カ月後に再発したため9月に当院に来院されました。

腫瘍の特徴から抗腫瘍治療として放射線療法や抗がん剤治療への反応が乏しいことが予想されるため、10月に日本動物高度医療センターにて拡大切除を行ってもらったのち、当院にてオゾン療法丸山ワクチン漢方を術後緩和療法として開始し、光免疫誘導治療を12月から開始しました。

表在性腫瘍のため週に1回のICG-lipo(インドシアグリーン修飾リポソーム)の静脈点滴とレーザー照射のための通院、自宅でのレンタルレーザーの毎日の照射を飼い主さんに行ってもらっております。

現在4クール目(1クールが3週間)ですが完全寛解状態を維持しています。

本日もレーザー照射にお母さんと来てくれたのですが、身体検査が終わり、さあこれからレーザーを当てようと準備していたら、らんちゃん自ら僕の方に一歩進んでグイっと身体を寄せてきてくれまして(笑)。「どうぞ」って感じで。

その光景を見てお母さんと共に大笑い^^。

1クール目の時は「嫌だよぉ、何するんだよぉ」とばかりに前肢を使って抵抗していたのですが、2クール目以降はお行儀よくお座りして大人しくやらせてくれるようになり、本当にお利口さんです。

経験上、顔周囲にレーザーを当てるのは嫌がる子がほとんどで、しかも1回15分当て続けますから、途中で集中力が切れて動き回ってしまう子が多いです。

ですので治療する側もとても助かってます。

 

 

 

光免疫誘導治療とは鳥取大学獣医学部と千葉大医学部の共同研究の治験です。ICG-lipoが腫瘍組織へ特異的に集積する特徴を利用した治療です。

①近赤外線照射による熱と活性酸素の生成

②ICG-lipo内包薬剤による抗がん作用

・アンサー20(丸山ワクチン):自然免疫誘導

・ルペオール:抗炎症作用

・カルボプラチン:DNA合成阻害、アポトーシス誘導

・ブレオマイシン:DNA合成阻害、DNA切断作用

・パクリタキセル:細胞分裂阻害

・ビンクリスチン:細胞周期(中期)停止

③近赤外線照射による免疫誘導

以上の性質を利用した抗ガン治療となります。標準治療(外科、化学療法、放射線)と併せて治療を行ったり、標準治療による効果が期待できない場合においても選択肢のひとつになります。

もちろん効果のある癌と効果が得られない癌もありますが、完全寛解~部分寛解における治療反応率は6~7割というデータが出ています。

癌を慢性疾患として考え、癌を0(ゼロ)にする事を目標にするのではなく、癌と共存していく治療として当院で行っております。

ホームページをリニューアルしました。

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今後ともよろしくお願いいたします

リフォーム工事終了しました

7月から皆さんにご不便をおかけしておりましたが、やっと院内の全面リフォーム工事が終了しました。

リフォーム中は、ただでさえ狭い病院がさらに狭くなり、診察室が1つしか使えなかったり、トイレが1つしか使えなかったり、待合室が二組しか入れなかったり、表から入れないので裏口から入ってもらったりと・・・。

当初は収納棚を増やすだけの軽い気持ちで設計事務所に話を申し込んだのですが、あれよあれよという間に全面リフォームすることに。

診察室はやや縮小しましたが、待合・受付・トイレ・処置室・X線室・スタッフルームが広くなり働きやすくなりました。

扉が自動ドアになった関係で病院入り口の段差が高くなり、「先生~、私の足にはあの段差は高いよ~」と何人かの方に指摘していただいたので、ステップになる階段様の段差を石を使って設置しました。

DIYでやりましたが、病院の外壁の完成度に比べ、とてもレベルの低い見た目になっておりますので、決して近くに寄って見ないでください(笑)。

待合の壁が白くきれいになったのは良かったのですが、殺風景だったのでウォールステッカーを購入し張り付けてみましたが、着けたそばから剥がれていく始末^^;。

補強のために両面テープをこれでもかと使用しておりますので、こちらのほうも近くに寄って見ないでください(笑)。

病院の入り口について

先日まで病院玄関のリフォーム工事のため、裏口から入っていただいておりましたが、玄関が完成しましたので、通常通り表から入ってこれるようになりました。

今回のリフォーム工事にて玄関扉が自動ドアになりました。

今まで引き戸が硬くて、鍵がかかっているのではと何度となくインターフォンで「入れませーん!」となり、ご迷惑をおかけしておりました(笑)。

待合室の16年使い続けたソファーも新しい椅子に取り替えました。

夜間診療やってた時や、夜中の入院管理を行うときに仮眠をとっていたソファーなので愛着があり、病院の外に運び出したときはチョッとセンチメンタルな気持ちになりました^^;。

今後は待合室の仕上げ、外壁工事、スタッフルームの工事と続き、11月中旬には完成する予定です。

それまでの間、工事の音などでご迷惑をおかけすると思いますがご了承ください。

病院のリフォーム工事による入口の変更について

7月から病院の全面リフォーム工事を行っております。

現在は受付、待合室の一部、および玄関の工事を行っており、通常の入り口からの入室が出来なくなっております。

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現在工事のため玄関扉が外されておりシャッターが閉まっています。

診察の場合は裏口にまわって入室してください。

また土足での入室が解禁になりましたので、そのままお上がりください。

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10月中旬にはドアが完成する予定ですので、それまではシャッターが閉まった状態になっていますが、病院はやってます(笑)。

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向かって右の通路を進んでいただくと裏口があります。

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ここからお入りください。

外壁工事も同時に進むために本日病院の看板が無くなりました。

ぱっと見、何のテナントか分からなくなっておりますが、病院は通常通り診察中ですのでご安心ください^^;。

全ての工事が終了するのが11月中旬位の予定です。

ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。

飼い主さんに「楽しみですね」と言っていただいているのが救いです(笑)。

御来院される皆さんへの御願いと中性次亜塩素酸水(Meau)の販売について

新型コロナウイルス感染拡大に伴い御来院される皆様に対して以下の御願いをしております。

□御来院時にはマスクの着用を御願い致します。

□御来院時(到着時)と退院時(帰宅時)に受付カウンターにある消毒液での手指消毒を御願いします。

□発熱、咳、倦怠感など御体調のすぐれない方は御来院をご遠慮ください。事前にお電話にてご相談や薬の郵送などで対応いたします。

□待合室では原則二組までとさせていただき、ソーシャルディスタンス(1~2m)を保てない場合は駐車場にて待機していただく場合がございます。

□混雑時の予約間隔が15分おきとなっておりましたが、できる限り30分間隔とさせて頂きます(緊急の場合は当てはまりません)。

□緊急手術以外の新規手術予約は緊急事態宣言が解除されるまでは受付を見合わせております。

□午前中の予約枠で収まらない場合は午前の診療時間を延長して対応させていただきます。

 

また新型コロナウイルス感染症に対するヒト・動物の消毒に使用できる中性次亜塩素酸水の販売を開始しております。

院内ではケージ・器具・室内の除菌や手指消毒、創傷・皮膚・口腔内・耳道内の洗浄などに使用しています。

香港とベルギーでは犬と猫での感染例が報告されていますが、感染した飼い主さんと同じ環境にいたペットには体表にウイルスが付着する可能性がありますので、お家の中の消毒と共にペットの体表にMeauをスプレーすることで消毒することが可能となります。

アルコールよりも殺菌効果が高く、次亜塩素酸Na(ハイターなど)より残留性が低いため安全に使用できます。

空のペットボトルなどの容器を持ってきていただければ院内の機械で作ってお渡ししておりますので、ぜひご利用ください。

価格はお問い合わせください。作ってからの有効期間は3か月間です。