高気圧療法

高気圧療法とは?

医学領域において実施されている高圧酸素療法(HBO)は100%濃度の純酸素を使用して、気圧を2~3気圧に設定し高圧酸素チャンバー内に生体を留置する治療法で、炎症、浮腫、神経障害、循環障害、筋骨格障害などの病態に適応されています。
これと比べ高気圧療法(HBA)とは純酸素を使用することなく大気圧を1.3気圧前後にすることで酸素中毒などのHBO実施時における副作用が少なく、HBOが適応とされる同様の病態に対しての治療効果を期待する方法であり、安全性、経済性、および操作性においてHBOより優位とされています。

高気圧療法の治療

コメント

効能におけるEBM(根拠に基づく医療;evidence-based medicine)

「高気圧療法の小動物臨床への応用性に関する研究」(麻布大学大学院獣医学研究科 博士課程 獣医診断治療学 柳澤洋善)ではビーグル犬に対してHBAを実施したところ動脈血酸素濃度(PaO₂)、組織酸素飽和度(StO₂)、経皮的酸素分圧(PtvO₂)が加圧直後から増加し、減圧終了後PaO₂は2時間、StO₂は30分後においても加圧前よりも高い値を示した。
またHBAは一次性接触皮膚炎およびアレルギー性皮膚炎に対して血管収縮作用や血管透過性亢進の抑制作用により浮腫を抑制し抗炎症効果を有していることが実験データから明らかになっている。

安全性におけるEBM

上記の研究において、ビーグル犬9頭におけるHBA実施時の安全性の確認のために行動観察、心拍数測定、鼓膜の状態、肺音、全血血液検査を行ったところいずれの条件においても評価項目は正常範囲内であった。
実験結果から1.3気圧で45分間が適正な加圧維持時間であると判断された。
また加圧に伴う傾眠傾向と徐脈が認められ、心拍数の低下と睡眠作用が、共に副交感神経系と関連していることから、加圧が副交感神経系を活性化した結果(リラックス効果)であると考えられた。
また本実験において確認された徐脈は安全上問題にならないと判断された。

名古屋大学におけるマウスを用いた実験

①背中を剃毛したマウスを毎日30分間、1.3気圧の高圧に曝した群とそうでない群では2週間後の育毛効果で高圧に曝した群のほうが育毛レベルが高かった。→育毛&美肌効果

②更に2週間高気圧に曝した後Morrisの水迷路試験を行ったところ、高気圧に曝したマウスは空間認知能力の向上が認められた。→認知機能改善&抗鬱効果

③1か月間高気圧に曝したマウスの海馬(脳内組織)においてIGF-1(インスリン様成長因子)、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)の増加が認められた。→抗老化ホルモンの増加

④1か月間高気圧に曝したマウスは、胃のストレス潰瘍が出来にくくなっていた

結合型酸素と溶解型酸素

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呼吸によって取り入れられた酸素は血液中のヘモグロビンと結合し毛細血管を通過し各細胞まで運ばれますが、一部の毛細血管はヘモグロビンより細く、さらにコレステロールなどの汚れで血管が細くなったり赤血球同士がくっつき血流が悪くなると細胞は酸素不足となり病気の原因になります。

血液中、体液中に溶け込める溶解型酸素を気圧を高めることにより通常の1.5倍の量に増やすことで体内酸素量が増え、細胞を活性化させ、滞っていた身体機能をスムーズに働かせることができます。

高気圧療法の効果

①    抗炎症作用 (炎症=病気)

②    リラックス効果、リフレッシュ効果

③    疼痛緩和

④    創傷治癒促進

⑤    骨癒合促進

⑥    疲労回復 (術後の回復など)

⑦    発毛および皮膚代謝促進

⑧    栄養素やサプリメントの体内への吸収を促進

⑨    循環改善

⑩    免疫力増加 【副交感神経の活性化による免疫細胞(NK cellT cell)の活性化】